さて軽い引きずりの症状を見せていたリアブレーキですが、原因はブレーキパッドだったと判明。
錆があっても減ってないからと放置してたら剥離しちゃった、というなんとも情けない話でした。
新しいブレーキパッドも注文したので早速作業していきます。
なかなかピストンまで外す機会はないので一連の流れをまとめました。
今回の作業の流れ
今回はキャリパー内の清掃&ピストンシールの交換、ブレーキパッドとブレーキフルードの交換を目的として作業を行います。
1.ブレーキフルードの交換
まずはじめに書いておくと、
キャリパーを分解する時点でフルードが漏れます。
なので必ずしも最初に新しいフルードに交換する必要はありません。
サービスマニュアルにはフルードを抜いてからキャリパーを外す手順が載っています。
が、一連の作業を頭でイメージした際に、
- ピストンを押し出すのにフルードが入っていないと困る
- ホース内のフルードを全抜きしてしまうと面倒臭そう(フルード充填やエア抜きが大変)
- せっかく綺麗にしたキャリパー内に汚いフルードを入れたくない
という理由で最初に交換しました。多少フルードを無駄にはしますが。
ただし注射器(シリンジ)やポンプのような道具があればもう少し楽になるかもしれません。
たとえ抜いたとしても上から注ぎつつ吸い出せばいいのですから。
ちらっとホームセンターで見てきましたが意外と高いんですよね、注射器(シリンジ)。でもそんなに使う機会ないし・・・。
わざわざ買わなくてもシャンプーの入れ物などについているポンプが使えるのです!
あとで気がついて試してみたら内径5mm、外径7mmの透明ホースがなんとサイズぴったり!もちろん容器によってサイズの合う合わないはあるでしょうが買う前に試してみる価値はあります。個人的にはなんの問題もなく使えました。
さて、とりあえずフルードの交換を行います。
ブレーキフルード交換に必要なもの
- ブレーキフルード(ホンダ BF DOT4)
- 透明ビニールチューブ(内径5mm,長さは50cmもあればOK)
- 廃液受け(ペットボトルなど)
- 8mm スパナ
ブレーキフルード交換手順
ホームセンターで買ってきた透明ビニールチューブ。50cmで50円くらいだったかな?
リザーバタンクキャップを開けます。(シートを外した方がやりやすい)
ペダルを操作し、踏み込んだ状態のままでブリードバルブを少し緩めます。
するとかけた圧力で古いフルードがブリードバルブから出てきます。
ブリードバルブを締めてからペダルを戻します。
この繰り返しです。
数回に一度、抜けた分をリザーバタンクから補充しましょう。
減りすぎて空気が入り込まないように注意。
バルブ周りをウエスなどで養生しつつチューブを外し、付着したフルードは水やパーツクリーナーで洗い流しましょう。
キャップなど全てを一旦元に戻します。
2.ブレーキパッドを取り外す
まずパッドピンプラグを外し、その奥にあるパッドピンを六角レンチで外します。
あとはブレーキパッドを取り外すだけ。
パッドの形状などですんなり抜けない場合はサブスライドピンを外します。
するとキャリパーを上方向に動かせるのでその間から取り出せます。
簡単。
3.キャリパーを取り外す
今回はブレーキホースを外さないとキャリパーが取り外せませんでした。
でもこれはボルトとマフラーとの隙間に手持ちの工具が入らなかったため。モノによっては問題ないかもしれません。
(※追記:後日違う工具で試したらブレーキホースを外さずとも取外せました。)
そしてオイルボルトを緩めると当然フルードが漏れ出してきます。
ウエスなどで養生してから外しましょう。
スイングアームに固定しているホースのネジを外し、
オイルボルトをキャリパーから外します。
はずした先端はビニール袋などに突っ込んで保護。
タイヤの上にでものっけておきます。高さ的にも丁度良い。
サブ/メインのスライドピン(ボルト)を二本外し、キャリパプラケットから外します。
※キャリパー内部にもフルードが残っているので変なところでこぼさないように注意。
4.キャリパーの分解、洗浄
ピストンを抜き出すためにここで再度ブレーキホースを接続します。(※もし取り外していたら)
規定トルクで締付ける必要はありません。あくまでもピストンを押し出すためなので。
接続したらペダルを操作。
スコスコやっているとピストンが飛び出してきます。
もし全然出てこない場合はキャリパを仮固定し、フルード交換の要領でエアを抜いてやると出てきます。
外れる直前でブレーキホースを外し、上述のようにビニール袋などで保護しておきます。
あとは慎重に引っこ抜く。
ジェル状の古いフルードがこびりついている画像をネットで見たので覚悟してましたが、そこまでではなかったようです。というか全然綺麗。裏面だけは(笑
ちなみにピストンは専用の工具があればそれで外してもいいですし、ウエスなどをかました上でプライヤーで引っこ抜く人もいるようです。
ただ傷つけないようにくれぐれもご注意を。
ピストン、パッドスプリング、カラー、ブーツなどを取り外します。
あとは各部品を洗浄。
まずは歯ブラシを使って中性洗剤で軽く洗い、パーツクリーナー(ブレーキクリーナー)で綺麗にしていきます。
ピストンはピカールで磨きました。
綺麗なウエスに少量とってピストンをゴシゴシ。
5.ピストンシールの交換、組み立て
キャリパーシリンダからピストンシール、ダストシールを爪楊枝などを使って外します。
シール溝は結晶化した異物なんかがあったりするので、ここも綺麗に洗浄しておきます。
新品のピストンシール、ダストシールを取り出し、
ブレーキフルードを塗布して取り付けます。塗布というか袋のまま浸してますが。
シリンダ内部にも少量入れて側面と溝にもブレーキフルードを塗布。
各シールを取り付けたらピストンにもフルードかシリコングリスを塗って慎重に戻します。
その他ブーツ、カラーなどもシリコングリスを塗って取り付けます。
6.キャリパーの装着
一通り組み直したら、キャリパーをもとに戻します。
基本的には外した時の逆の手順で組み付けるだけ。
メイン/サブのスライドピンボルトにグリスを塗って規定トルクで締め付けます。
メインスライドピン 28 N·m(2.9 kgf·m)
サブスライドピン 22 N·m(2.2 kgf·m)
ブレーキホースオイルボルトに新品のワッシャーをつけて規定トルクで締め付けます。
ブレーキホースオイルボルト 34 N·m(3.5 kgf·m)
7.ブレーキパッドの装着
取り付ける前に面取りだけしておきました。
ブレーキパッドを取り付け、パッドスプリングに押し付けながらパッドピンを取り付けます。
パッドピン 18 N·m(1.8 kgf·m)
パッドピンプラグをその上から取り付けます。
8.エア抜き
さぁ最後の作業です。
キャリパー内にある空気を追い出します。
前の作業(ブレーキフルードの交換)でやったようにリザーバタンクのキャップを外し、ブリードバルブにビニールチューブを取り付けます。
ペダルを操作して圧をかけながらブリードバルブを緩め、エア混じりのフルードを排出、バルブを締めたらペダルを戻す、を繰り返します。
適宜フルードを補充しつつ、エアが出なくなったらOK.
最後にリザーバの上限線までフルードを入れたら蓋をして作業は完了です。
まとめ
すったもんだはありましたが、無事に修理が完了しました。
引きずりは解消され、ブレーキも問題なく効いております。(≧д≦)ゝ
作業後は念のため水をかけたりパーツクリーナーで綺麗にしておきましょう。
ブレーキフルードは塗装面を侵すらしいので注意が必要です。
とりあえず今回の教訓としては・・・
パッドの残りがまだあっても定期的に様子を見て交換しましょう、かな。あは(^^;
ということで今回は以上!
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