「でいだらぼっち」ってご存知ですか?
ジブリのもののけ姫なんかでも有名ですよね。
でいだらぼう、だいだらぼっちなど、日本各地で様々な名称とともに伝承のあるこの「でいだらぼっち」ですが、
その足跡というものが千葉県は柏市にあるらしいのです。
伝説のでいだらぼっちは実在した!!!
な、なんだってー(ry
うん、まぁね、そういう事ですよ。
そんなもの云々・・・なんて言わず楽しむ!
人生ノリも大事です。
でいだらぼっちとは
本稿では「でいだらぼっち」と平仮名で表記する事にします。
それではおさらい。
ダイダラボッチは、日本の各地で伝承される巨人である。類似の名称が数多く存在するが、山や湖沼を作ったという伝承が多く、元々は国づくりの神に対する巨人信仰がダイダラボッチ伝承を生んだと考えられている(鬼や大男などの妖怪伝承が巨人伝承になったという説もある)。
(Wikipedia ダイダラボッチより)
なんと富士山を作ったのもでいだらぼっちなんだとか。
他にも各地で山や川、湖などの縁起として民話が伝承されているようです。
柏市役所のWebサイトに民話が掲載されていました。
むかし、布施村の近くに、でいだらぼっちと呼ばれる大男が住んでいました。せいは3メートル近くありましたが、とてもやさしく、少しボーっとしたところもありました。子どもたちは、みんなこの大男が大好きで、いつもいっしょに遊んでいました。
ある年、村に日照りが続きました。たんぼの水は干上り、畑にはほこりさえ舞っていました。井戸水も少なくなり、稲や野菜や、そして人間さえもみんなふうふうしていました。老人たちが集まっては、何かよい考えはないかと相談していましたが、雨を降らせる名案は出てきません。
でいたらぼっちの絵 そんなある夜、でいだらぼっちは、『布施の弁天さまをひとまたぎする者がいれば雨は降る』と、いう夢を見ました。さっそく、このことを村の人に話しましたが、「そんなばち当たりなこと、よく言えたもんだ」
「何をばかこけ。いよいよ狂ったな。」
などと言って、信じてくれる者は、ひとりもいませんでした。
しかし、相変わらず日照りは毎日続き、村の人たちは、ますます元気がなくなっていきました。子どもたちも、あまり外で遊ばなくなってしまいました。2・3日たった朝、むっくりと起き出したでいだらぼっちは、布施の弁天さまの方をじっと見つめて、
「おらは、この村が好きだ。この村の子どもは大好きだ。」
と、つぶやくと、弁天さまを目がけてゆっくりと歩き出しました。不思議なことに、でいだらぼっちはずんずん大きくなっていくのです。しまいには頭が雲の上に出てしまいました。毛むじゃらな2本の足だけが、のっし、のっし、と動き、そのたびに地面がゆれていきます。そして、とうとう布施の弁天さまをひとまたぎしてしまいました。
とたん、空は黒雲におおわれ、大つぶの雨が降り出しました。稲は生き返りました。人々は、おもいおもいのかっこうで、降りしきる雨の中を踊り狂いました。その中に、でいだらぼっちの姿はありませんでした。その後もでいだらぼっちを見た人はありませんでした。仲よしだった子どもの話では、そのまま利根川をまたぎ、筑波山の方へ歩いていったということです。
ひとまたぎした時の、左足の跡があけぼの山公園下に、そして右足の跡が、宿連寺の天王さま近くに今でも残っています。
でいだらぼっちの足跡は、逆井にも酒井根にも、高田にもあります。(柏市役所「柏のむかしばなし」より)
他にも、でいだらぼっちが弁天様に想いを寄せるも振られてしまうという話もあるのだとか。
失恋に肩を落としてその場を去るでいだらぼっち。その足跡が後に残り・・・とか悲しすぎる。
がんばれ。なんかよくわからないけど頑張れ。
でいだらぼっちの足跡
どうやら柏市だけでも5カ所ほど、でいだらぼっちの足跡と呼ばれるものがあったようです。
今回はとりあえず2カ所の足跡へ行ってみました。
まずは右の足跡へ(イボ弁天)
場所:千葉県柏市東山2−1
r280から鋭角に曲がって1段降りた所にあります。
事前によく確認していかないと見過ごしてしまいそう。
東から向かっている場合はマミーマート光が丘店の前を通ったらすぐその先、横断歩道の標識がある所です。
バイクならUターン気味に入って行けるけど車は無理かも。
降りてすぐ、その先左手に柵が見えてきます。
正面から。
思ったより狭く小さく、突然現れる印象。
こんな場所にこんなものあったの?って感じ。
地域の方でも知らない人は知らないのではないだろうか。
池の中央に小さな橋が一本、祠の前へと伸びていますが、現在は柵に囲われ中に立ち入る事は出来ません。
こちらは「イボ弁天」というその名にもあるように、池の水がイボに効くという話もあるようです。
ちなみに私有地らしいので、勝手に入るのはやめましょう。
イボ弁天
ここに弁天様が祀られた年代は明らかにされていません。初代の高橋源左衛門という人が、長く病気にかかり、弁天様の祟りだと言われた為、氏神として祀ったのが始まりだと言われています。
社の前に巨人伝説のデーダラボッチの右足と言われる池があります。池は長さ約10mで、西方に向かって歩いた時のものだと言われています。逆井の観音寺近くの弁天様の池は左足跡と言われており、逆井から酒井根まで一歩で歩いた事になります。
この池の水はイボ取りにも効果があると言われ、一時はかなりにぎわったようです。また別名、お多福弁天ともいわれ、願い事が叶えば財が増え、福が多いからだという事です。
柏市教育委員会
(現地看板より)
でいだらぼっちの足跡とされる池。
ん〜、まぁ言われれば足跡のような形をしていると言えなくもないような・・・。
ちなみに鯉が泳いでます。
池の大きさに比べると結構な大きさの鯉でした。
さて、次は左足の足跡へ。
左の足跡へ(厳島神社)
場所:千葉県柏市逆井
r280沿い、河川浄化施設の隣にあります。
正面から。
かつて池があったであろう窪みの中央に、厳島神社が建っています。
こちらは鳥居をくぐって社の前まで行けます。
「厳島神社」という文字と、その横に「俗ニ弁天様」という文字が掲げられています。
てことは弁天様?
でいだらぼっちの足跡だといわれる窪み。
右側から。
左側から。
手前に大きな木がありますが、窪みの中心にこんもりと土が盛られ、そこに神社が建っているのがわかります。
現在水は湧き出ていない、ということでしたが雨水でしょうか、微妙に水が溜まっているのが見えます。
しかもこちらの方が水がきれい。
隣接して大師堂と庚申塔が建っています。
感想&まとめ
この辺は結構起伏のある土地なんですね。
もちろん平野なのでそこまで高低差はないのですが。
かつてはのんびりとした自然の中に田畑があり、家があり、道があり。
道の辻にあった窪みに湧いたわき水と、そこに建てられたお社。
やがて時代は進んで街が出来、道はアスファルトで整備され、取り残されたように残るかつての記憶。今もひっそりとそこに佇み、といった感じ。
車がビュンビュン走る横にあってちょっとギャップのような違和感のようなものを感じた。
取り残された感、かな。
今回の場所はあまり駐車できるような場所がありません。
バイクなら何とかなりますが、車はきついかな。
という事で今回は以上!
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