3月に入り、暖かい日も増えつつある今日この頃。
バイクでふらっと遊びに行けるような、どこか面白い所はないかと情報を探していました。
そこでふと目に留まったのが、一風変わった神使たち。
神使と言えばお稲荷さんの狐あたりがパッと思い浮かびます。
それ以外にも様々な動物が神使として神社に奉られていますね。
猿や牛、蛇や兎など様々あるようです。
香取神宮や鹿島神宮は鹿。
せんべい欲しさに(?)お辞儀する有名なあの奈良の鹿たちも春日大社の神使だったはず。
熊野神社の八咫烏なんかもそうじゃなかったっけ?
そう言えば昔、どでかい狸の焼き物が置かれた神社を見つけた気がする・・・けどあれは神使だったのかな?
扁額(神社名が書かれ掲げられている板)も取り外されていたような社だったけど。
まぁそれはさておき、
今回は東金市のWEBサイトにあった情報を元に、同市内にある神使像の散策へと出掛ける事にしました。
神使とは
まずはおさらい。
神使とは?
神使(しんし)は、神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族で神意を代行して現世と接触する者と考えられる特定の動物のことである。「神の使い(かみのつかい)」「つかわしめ」などともいう。時には、神そのものと考えられることもある。その対象になった動物は哺乳類から、鳥類・爬虫類、想像上の生物まで幅広い。
特定の動物が神の意志を伝えるという説話は日本神話の中にも見られる。日本書紀の景行天皇記には、伊吹山の荒神(あらぶるかみ)が大蛇に化身して日本武尊の前に現れたのを、尊は「大蛇は荒神の使いだろう」と言ったという記述がある。紀の皇極天皇記には、猿を「伊勢大神の使」として、その声で吉凶を判じたという記述がある。また同崇神天皇記では、大物主神自身が蛇の姿で妻問いに訪れるくだりがある。
時代が下ると、神使とされる動物は、その神の神話における記述や神社の縁起に基づいて固定化されるようになり、その神社の境内で飼育されるようにもなった。さらには、稲荷神社の狐のように、本来は神使であるものが祀られるようにもなった。これは、神とは無関係に、その動物自体が何らかの霊的な存在と見られていたものと考えられる。
(wikipedia 神使より)
以前訪れた鹿島神宮の敷地内にも鹿園があり、実際に飼われているのを見ました。
そして見つけた東金市WEBサイトの記述。
古来、我が国の神社には、その祭神に縁故の深い鳥獣虫魚をその神使とし、これを信仰する習俗があった。東金市内には日吉神社の申、鹿渡神社の鹿、八坂神社の牛等がその代表的なものである。
八坂神社拝殿前の1対の牛は、その像長88センチ、像高45センチの石造で、寛保三癸亥(1743)6月7日、粟生村(九十九里町)飯高十郎右衛門他4名の寄進によるものである。
日本神話によれば、八坂神社の祭神素戔鳴尊は、牛に乗り天界より出雲国に降り、其の地で農耕に牛を使役して、大いに治績を挙げたという。当社はその故事にならい、往古よりこれを神使と崇め絵馬にもえがき、氏子庶民の信仰を集めて今日に至っている貴重な文化財である。
(東金市Webサイトより)
日吉神社の申、鹿渡神社の鹿、八坂神社の牛。
とりあえずこの3つを巡ってみることにします。
狛犬は神使?
ちなみに狛犬は神使なのだろうか?
気になって調べてみました。
wikipediaの「狛犬」では神使という性格にも触れているようですが、
厳密に言うと、違うらしい。
稲荷神社のキツネ像や月読神社、調神社の兎像、天満宮の撫で牛などを「狛○○」と呼ぶのは本来間違っています。
すでに説明しましたように、狛犬は「コマの犬」ではなく「こまいぬ」という単独の霊獣であって、「こま」と「いぬ」を分離する使い方は間違いです。単に「キツネ像」「牛」「ウサギ」・・・と呼ぶべきでしょう。
また、神社にいるキツネやウサギ、サルなどは「神使(しんし)」といい、神様の使い、秘書役、伝達役ですが、狛犬は神使ではなく「守護獣」です。セクレタリーとガードマンの違いと言えばいいでしょうか。役割が違うのです。
(「狛犬とは何か? 100万人の狛犬講座」より一部引用)
セクレタリーとガードマン!
なんと分かりやすい説明でしょう。
ちなみにこちらのサイト(狛犬ネット)さん、情報が大変充実している上に凄く分かりやすくておすすめです。
興味がある方は是非。
いざ八坂神社へ
まずは八坂神社の牛から巡ってみる。
(場所はこちら)
R409からr117を経てr119を南下していくと、八坂神社発見。
道を挟んで反対側に駐車場らしきスペースがあったのでそこに駐車し、神社正面へ。
八坂神社の正面から。
鳥居の左側に大きな銀杏の木があります。
八坂神社の銀杏
八坂神社は、正応2年(1289)に久我城主北条久時の勧請と伝えられ、神仏集合時代は天王様と称された。
境内の西南、鳥居の左側にある神木で、銀杏は公孫樹とも書き、イチョウ科の落葉高木で、目通り3.70m、高さ20m、雌株で秋季には結実する。高さ約5mのところから欅のやどり木が寄生しているのも珍しい。なお、隣接し同様に指定を受けていた欅は台風の影響を受け枯死状態となり、平成14年8月16日に指定を解除。この樹はニレ科の落葉高木で古くは槻とよばれ、目通し4.15m、高さ約20mであった。
八坂神社の森は、九十九里浜漁民の漁撈の帰途の目安であったという。(東金市Webサイトより一部引用)
市の指定文化財だそうです。
びっくりしたのが、境内に生えている他の木々も大きいこと。
この場所が古くから大事にされてきたのを感じます。
鳥居をくぐり、そのすぐ右側になにやら丸い石を発見。
力石かな?
”七拾メ目(貫目)”と書いてあるってことは・・・262.5キロ!?
でもそんなに大きくは見えなかったけど。
鳥居をくぐって正面に拝殿があります。
そしてその拝殿の正面、両脇に今回の目的である神使の牛の象がありました。
牛の神使像
思ったほど大きくはなく、像長88cm、像高45cm。
木の枠に囲われて立っています。
阿像
吽像
造形がしっかりしていて、リアルな感じに驚きました。
1743年に奉納ということですから、作られたのは今から約270年も前の話です。
すご。
本殿と向拝の彫刻
拝殿のすぐ後ろに本殿があります。
向拝の彫刻にも笛を吹く童子と牛。
こちらの本殿で手を合わせ、参拝のご挨拶。
実は本殿の前、両脇にもう1対の牛さん達が居るらしいのですが・・・写真を撮るのを忘れました。(^^;
上ばっかり見てた。(笑
この頃どうも閉める時間になったらしく、
社務所から出てきた巫女さんに「時間なので閉めてもいいですか?」と声をかけられました。
日も傾きつつあり、次の場所へも向かいたかったので、返事をした後すぐにその場を後にしてしまいました。
後で気がついてがっかり。
また今度改めて参拝したいと思います。
と言う事で、次はお猿の神使像へ!
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