卵の殻からカルシウムの粉末を作ってみました。
「卵殻カルシウムパウダー」と呼ばれているようです。
昨年末(2017)カルシウム不足が課題のベトナムにおいて、
キューピーが卵殻から作ったカルシウムを栄養強化食品として開発・販売するというニュースがありました。吸収率も石灰石由来の炭酸カルシウムに比べ、卵殻カルシウムの方がやや高いというデータもあるそうです。
(※参考URL:キューピーニュースリリース[1])
現在では国内でも多種多様な商品となって販売されています。
いつもはただ捨てていただけの卵の殻。
うまく活用できれば嬉しい限り。
もちろん人間だけでなく、
ペットの老犬や老猫のカルシウム不足解消にも役立ちます。
卵は完全栄養食品
卵は完全栄養食品、価格的にも栄養的にも優等生食品だと言われます。
卵の全重量は、卵白57%、卵黄32%、卵殻11%(卵殻膜を含む)に分かれ、成分は水分の他は大部分が蛋白質で、その他下表のような無機質やビタミン類を含みます。なお卵白は、ほとんどが蛋白質で、その他の栄養素は卵黄に含まれます。
(JA全農たまご株式会社より引用)
ビタミンCと食物繊維を除いてほぼ全ての栄養素が含まれているというすばらしい食材です。
そしてミネラル分もまた体には必要。カルシウムはその一つですね。
骨や歯をつくるもとになるとても重要な栄養素です。
ご存知の通り卵殻の主成分は炭酸カルシウム。
しかも牛骨粉や牛乳に比べてリンの含有量が少なく理想的なカルシウム源なのだとか。
リンとカルシウムの比率は1:1が望ましいとされ、リンの割合が多いとカルシウムを体外に排出すると言われています。しかしリンの平均摂取量はカルシウムよりも多いため、カルシウム源として摂取するものはリン含量が少ない方が望ましいと考えられます。
卵殻カルシウムはリン含量が少ないため、理想的なカルシウム源と言えます。
卵殻カルシウムは病院でも使われています。
卵殻カルシウムは炭酸カルシウムより優れたリン吸着剤として、慢性腎不全患者の高リン血症治療に使われています。(キユーピータマゴ株式会社「たまごの殻のひみつ」より引用)
その殻までもが活用できたのならまさに完・全・食・品!
卵の殻でカルシウムサプリ作り
ということで早速作っていきます。
作る、と言っても殺菌消毒して粉にするだけですが。
1、卵殻をストックする
まずはストックの仕方から。
卵を使ったら殻は邪魔にならぬよう横に置いておきます。
食後に皿を洗う際、洗剤をつけたスポンジで外側をかるく洗います。
内側は指で軽くこすりながら流水で洗います。
電子レンジに入れ、2〜3分温めて水分を飛ばします。
うちは1000wでやっていますがワット数で時間は調整しましょう。
ちなみにこの場合、電子レンジによる殺菌はあまり期待できないかもしれません。
あくまでもストック時にカビなどが発生しないよう乾燥を目的に行っています。
ただそもそも無菌室などで作業しているわけでもないでしょうし、
素手で触っているのですからあまり神経質になる必要はないかと思います。
サルモネラ菌の殺菌などは後に煮沸消毒して行います。
乾燥したらビニール袋などに入れてストックしておきましょう。
2、卵殻を煮沸消毒する
取り出したら乾燥させるため内側を下に向けてちょっと置きます。
・・・と思ったけど重なってたりすると乾燥しづらいので電子レンジで乾燥させちゃいました。
1000wで2分くらい。(時間は調整してください)
水分を飛ばさないとミキサー等で粉にするとき多分大変。
3、ミキサーやすり鉢でパウダー状に
うちにあるミキサーをよくみたらブレードのあたりはこんな感じ。
これは多分・・・粉にまではできないかな。どうだろ?
とりあえず卵殻を詰め込んで回してみる。
数秒回すも上の方にひっかかる。
一旦止めて奥に押し込み、再びミキサーを数秒回す。
引き続きミキサーを回して粉砕。
どうしても刃が届かない部分があるので、オンオフしながら少し揺すって(攪拌しつつ)粉砕。
様子を見ながら粉砕していると粉が舞うようになってきた。
ほぼ完成かな
4、瓶に入れて保存
それでも粒子の細かさには若干ばらつきがあるみたい。
もう少し念入りにミキサーにかけてもよかったかな。
一応完成。
卵殻カルシウムパウダーの食べ方
ぱっと思いつくのは料理の中に入れること。
無味無臭なので基本的には邪魔になりません。
でもかなり細かいパウダー状にしない限りザラザラとした食感は残ります。
貝をいれたスープなどで砂が残ってしまっていた感じ、と例えたらわかりやすいかな。
食感が邪魔にならないよう工夫する必要はありそうです。
ただクッキーなんかに混ぜて焼いたらそのサクサク食感から気にならないと思います。
他に考えられるのはお酢を使うこと。
お酢はカルシウムを溶かすので事前に溶かしておき、
あんかけ焼きそばなどを作ってその上からかけたら絶対美味しい。
そうすればジャリジャリとした食感を感じることもありません。
あるいはもうサプリメントとして割り切って、ひとつまみ程度をお茶と一緒に流し込む。
カプセルに入れて飲む
そのまま飲むのが苦手な方はカプセルに入れたら飲みやすいかもしれません。
空のカプセルがドラッグストアなどで100個入り数百円程度で売っています。
これなら外出先でも手軽に飲んだりできますね。
過剰摂取には注意
何事にもほどほどということがあります。
カルシウムの成人における1日の摂取目安量はおよそ650mg〜800mg。
カルシウムの食事摂取基準(mg/日)
(厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)より)
普段摂る食事のなかにもカルシウムは含まれていますから過剰な摂取にならないよう注意が必要です。
もし過剰に摂取しつづけると動脈の石灰化に伴う動脈硬化や結石、心疾患、腎臓病などにつながってしまいますので気をつけましょう。
まとめ
ということで普段はただ捨てていただけの卵の殻からカルシウムパウダーを作ってみました。
一説には成長期の子供は大人の2倍カルシウムが必要とも言われますし、ご高齢の方は骨粗鬆症予防にもちゃんと摂取しておきたいものです。
卵の殻は安価で必要なミネラルが摂れるという意味では素晴らしいリソースです。
ぜひ活用してはいかがでしょうか。
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